イカの色が一瞬にして真っ白から赤褐色に変わるのを見たことがありませんか?

その仕組みは液晶に似ています。つまり、イカは液晶ディスプレイを身にまとっているとも言えるのではないでしょうか。液晶の白い部分を虫メガネで見ると赤色、青色、緑色という3色の点(光の3原色)であることがわかります。一方のイカは赤色、黄色、茶褐色の皮膚細胞(色素胞)をその体表に持っており、それぞれの色素胞を筋肉によって露出させることで体の色を変化させます。

液晶は光の3原色によって白を表現しますが、ご存じのようにイカは元々の色が白です。そういった点では電子書籍端末などに使われている電子ペーパーに近いと言えるかもしれません。電子ペーパーは、ピクセルという点の集まりを並べた電子インク層を電極ではさみ、ピクセルごとに電圧をかけて制御することで絵や文字を表示させています。

他にも、「イカから液晶が取れる」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、イカの肝臓から取れるコレステロールを処理して作るコレステリック液晶のことです。

コレステリック液晶は温度によって見える色が変わります。黒いシールタイプの温度計や、カード型の液晶温度計がこの性質を利用しています。