2007年12月3日
シミック株式会社

シミック株式会社によるサイトサポート・インスティテュート株式会社の
株式交換による完全子会社化に関するお知らせ

シミック株式会社（以下「シミック」といいます。）及びサイトサポート・インスティテュート株式会社（以下「SSI」といいます。）は、平成19年12月3日開催の両社の取締役会において、平成20年4月1日を期して、下記のとおり株式交換によりシミックがSSIを完全子会社とすることを決定いたしましたので、お知らせいたします。

なお、本株式交換の結果、効力発生日である平成20年4月1日をもって、SSIはシミックの完全子会社となり、SSIは所定の手続きを経て、平成20年3月26日をもって上場廃止となる予定です。

記

1.株式交換による完全子会社化の目的

1. （1）株式交換の目的
   シミックは、日本で初めて開始したCRO（医薬品開発支援）事業を中心に、CMO（医薬品製造支援）事業、CSO（医薬品営業支援）事業へと、製薬企業の開発、製造、営業・マーケティングといったバリューチェーンを広範に支援しております。グループの中心事業であるCRO事業においては、臨床試験の一層の効率化・生産性向上を図るため、医療機関側との連携強化によるモニタリング業務の生産性の向上を図ることを中長期的な成長のための重要な課題のひとつとして認識しております。
   
   一方、SSIは、SMO（治験施設支援機関）のリーディングカンパニーとして、全国展開しており医療機関側の治験にかかわる業務を受託・代行し、治験実施体制の整備支援から実施・運営までの事務・実務をトータルにサポートしております。また、医療機関との事業連携の強みを生かし、ヘルスケア分野への新規事業の展開を図っています。
   
   昨今、医薬品開発における臨床試験（治験）を取り巻く環境は大きく変化しています。厚生労働省・文部科学省は、平成15年に「全国治験活性化3ヵ年計画」を策定し、大規模治験ネットワークの構築、CRC（治験コーディネーター）の養成、SMOやCROの育成を図ることにより治験の実施体制の改善を図ってきました。これに続き、平成19年3月30日付「新たな治験活性化5ヵ年計画」においても、治験を円滑に実施するために必要な環境整備を進めることにより、治験の効率化、生産性の向上を一層推進することが計画されています。
   
   また、欧米やアジア諸国に比べ、日本では上市までに時間がかかるため、海外では標準的に使用されている有効な薬が日本では使えない、所謂ドラッグ・ラグと呼ばれる現象が問題視されています。この問題を解消するために、厚生労働省は平成18年10月に「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」を設置したことに続き、平成19年8月に「新医薬品産業ビジョン~イノベーションを担う国際競争力のある産業を目指して~」を策定するなど、行政による新薬開発の促進・早期上市に向けた施策が相次いで打ち出されています。
   
   国際共同試験の推進等と並んで、国内においても治験の効率化、生産性の向上が欠かせない状況にあります。欧米では、CROとSMOを兼業する企業が多く、CROが臨床試験を総合的に管理することによる効率化が図られていることもあり、国際共同試験の増加に伴い日本でもこの傾向が高まると予想されます。IT 技術の進展によりEDC（Electronic Data Capture：インターネットを利用し、電子的に臨床データを収集するシステム）が普及し始めており、ローカルデータマネジメント（医療機関における症例報告書の作成補助、データ管理等）の必要性も高まりつつあることから、今後さらにCROとSMOの連携強化が必要になってくるものと思われます。
   
   シミックとSSIは、臨床試験や疫学調査等において取引を開始するなど、連携を進めてまいりましたが、CROとSMOを取り巻く環境の変化に対応し、かつ臨床試験が抱える様々な課題の解決を支援する体制を構築するには、シミックがSSIを完全子会社化することによる経営統合が最善の選択であると判断いたしました。また、既に両社の組織体制や業務手順書は厳格に規定されており、同一企業グループ内でCROとSMOを併せて行なうことについての問題はクリアされていると判断いたしております。
   
   シミックとSSIが経営統合することで、シミックグループ傘下でCRC業務を担っているシミックCRC株式会社と合わせ業界最大手のSMO企業グループを形成することになります。その結果、双方のブランド力と市場競争力が一層強化され、人材確保の面についても他社グループに対し優位なポジションに立つことが期待できます。また、CROがSMOを含め臨床試験を一元管理する体制を構築し業務の効率化を図ることにより、臨床試験の生産性向上に加え、教育・管理部門、管理システム等を共有することによるコスト削減も期待できます。
   
   SSIとしては、SMO業界での水平展開からCROとの垂直連携を果たすことで、急速な事業環境の変化とグローバルな新薬開発スピードへの対応に先手を打つことが可能となります。また、シミックグループ傘下でSMOとして真のリーディングカンパニーとしての地位を固めるとともに、シミックグループのもつ人材、ノウハウを生かすことにより、SMO事業の強化とその経験を活かしたヘルスケア分野への新しい展開を行うことができます。これにより、株主の皆さまへ一層の利益還元が出来るものと期待しております。
   
   両社が育んできた臨床試験に関する知見を集約し、治験の効率化、生産性の向上を実現し、顧客にとってより満足できるサービスを提供していくとともに、CRO・SMOそれぞれの役割を再確認し、引き続き治験データの信頼性確保を徹底する体制を維持してまいる所存です。
2. （2）上場廃止となる見込み及びその事由
   本株式交換により、その効力発生日である平成20年4月1日をもって、SSIはシミックの完全子会社となります。SSIは、株式会社東京証券取引所マザーズ（以下「東証マザーズ」といいます。）の上場廃止基準に従い、平成20年3月26日に上場廃止となる予定です。上場廃止後は、東証マザーズにおいて SSI株式を取引することはできません。
3. （3）利益相反を回避するための措置
   株式交換契約の締結を決議したシミックの取締役会においては、特別利害関係人として代表取締役会長兼社長中村和男と取締役副社長中村圭子は当該決議に参加しておりません。また、シミック及びSSIは、取締役会における株式交換契約の締結の決議に先立ち、監査役全員に対し株式交換契約の締結について意見を求め、その賛成を得ております。
   株式交換比率につきましては、その公正性・妥当性を確保するため、後記2．（3）で述べますとおり、シミック及びSSIにおいて、別個独立に第三者算定機関に専門家としての意見を求め、株式交換比率算定の参考といたしました。

2.株式交換の要旨

1. （1）株式交換の日程

   株式交換決議取締役会	平成19年12月3日（月）
   株式交換契約締結	平成19年12月3日（月）
   臨時株主総会基準日公告（SSI）	平成19年12月4日（火）
   臨時株主総会基準日（SSI）	平成19年12月19日（水）
   株式交換承認臨時株主総会（SSI）	平成20年2月25日（月）（予定）
   上場廃止日	平成20年3月26日（水）（予定）
   株式交換の予定日（効力発生日）	平成20年4月1日（火）
   株券交付日（予定）	平成20年5月下旬

   
   （注）本株式交換は、シミックについては、会社法第796条第3項の規定に基づき、簡易株式交換の手続きにより株主総会の承認を得ないで行う予定です。
2. （2）株式交換に係る割当ての内容

   会社名	シミック（完全親会社）	SSI（完全子会社）
   株式交換に係る　割当ての内容	1	0.0391
   株式交換により　発行する新株式数	普通株式136,357株

   
   （注）SSIの株式1株に対して、シミックの株式0.0391株を割当て交付します。なお、本株式交換に伴い、単元未満株式が生じることとなる株主の皆様におかれましては、単元未満株式の買取制度のご利用を頂くことが可能です。また12月14日開催予定のシミック定時株主総会における「第2号議案定款一部変更の件」（単元未満株式の買増制度導入）の承認により、買増制度をご利用頂くことが可能となります。詳細は、両社が本別途開示しております「株式交換による株式のお取り扱いについて」をご参照ください。
3. （3）株式交換に係る割当ての内容の算定根拠等
   算定の基礎及び経緯
   本株式交換の株式交換比率については、各社が別個独立に第三者機関に株式交換比率の算定について専門家の助言を求めることとし、シミックは野村證券株式会社（以下「野村證券」といいます。）を、SSIはエスエヌコーポレートアドバイザリー株式会社（以下「SNCA」といいます。）を、それぞれ第三者機関として選定しました。
   野村證券は、シミック及びSSIについて、市場株価平均法及びディスカウンティッド・キャッシュフロー法（以下「DCF法」といいます）を採用し算定を行いました。各評価方法によるSSIの株式1株に対するシミックの株式の割当株数の算定結果は、下表のとおりとなります。

   	株式交換比率の評価レンジ
   市場株価平均法	0.0318~0.0342
   DCF法	0.0313~0.0590

   
   なお、市場株価平均法では、平成19年11月29日の終値、シミックの決算発表日及びSSIの中間決算発表日以降となる平成19年11月12日から平成19年11月29日の13営業日の平均株価、平成19年10月30日から平成19年11月29日の1カ月間の平均株価並びにSSI業績修正発表日以降となる平成19年9月27日から平成19年11月29日の44営業日の平均株価から算定を行いました。
   SNCAは、シミック及びSSIについて、市場株価平均法及びDCF法を採用し算定を行いました。
   各評価方法によるSSIの株式1株に対するシミックの株式の割当株数の算定結果は、下表のとおりとなります。

   	株式交換比率の評価レンジ
   市場株価平均法	0.0315~0.0329
   DCF法	0.0320~0.0447

   
   なお、市場株価平均法では、平成19年11月22日から平成19年11月29日の5営業日の平均株価、平成19年10月30日から平成19年11月29日の1カ月間の平均株価並びに平成19年8月30日から平成19年11月29日の3カ月間の平均株価から算定を行いました。
   
   上記記載のとおり、シミックは野村證券に、SSIはSNCAに、本株式交換の株式交換比率案の算定を依頼し、当該第三者機関による算定結果及びその他事項の分析結果を慎重に検討し、これらを踏まえ交渉、協議を重ねてきました。シミック及びSSIは、上記の交換比率が妥当であること及び両社の株主の利益を損ねるものではないとの判断に至り、平成19年12月3日に開催された各社の取締役会において本株式交換における株式交換比率を決議し、同日、シミックとSSIの間で株式交換契約書を締結しました。なお、この株式交換比率は、野村證券がシミックに対して提供した分析、並びにSNCAがSSIに対して提供した分析の範囲内で決定いたしました。
   
   また、この株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件について重大な変更が生じた場合、両者間の協議により変更することがあります。
   
   算定機関との関係
   野村證券及びSNCAはいずれも、シミック及びSSIの関連当事者には該当しません。
4. （4）株式交換完全子会社の新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
   SSIが発行している第1回及び第2回の新株予約権につきましては、その新株予約権発行要項に従い、SSIが、株式交換の効力発生日の前日までに、発行する新株予約権の全てを無償にて取得の上消却いたします。なお、SSIによる新株予約権付社債の発行はありません。

3.株式交換の当事会社の概要

（平成19年9月30日現在）

1. （1）商号	シミック株式会社	サイトサポート・インスティテュート株式会社
   （2）事業内容	CRO事業、CMO事業、 CSO・その他事業	SMO事業、その他事業
   （3）設立年月日	昭和60年3月14日	平成11年4月2日
   （4）本店所在地	東京都品川区西五反田七丁目10番4号	東京都品川区西五反田二丁目8番1号
   （5）代表者の役職・氏名	代表取締役会長兼社長 中村　和男	代表取締役社長 慶野　晋一
   （6）資本金	3,087百万円	673百万円
   （7）発行済株式数	758,600株	3,487,400株
   （8）純資産	10,966百万円（連結）	2,371百万円（単体）
   （9）総資産	17,320百万円（連結）	3,304百万円（単体）
   （10）決算期	9月30日	3月31日
   （11）従業員数	1,921名（連結）	299名（単体）
   （12）主要取引先	キリンファーマ（株） その他	武田薬品工業（株） その他
   （13）大株主及び持株比率	（株）アルテミス41.97% 日本トラスティ・サービス信託銀行（株）9.83% 中村　和男8.18% 野村信託銀行（株）2.26% みずほキャピタル（株）1.96%	（株）キースジャパン26.38% 中村　和男24.32% 日本 トラスティ・サービス信託銀行（株） （信託口）6.02% 尾芝　一郎1.97% 宮本　圭一1.78%
   （14）主要取引銀行	（株）みずほ銀行 （株）三菱東京UFJ銀行	商工組合中央金庫 （株）三菱東京UFJ銀行 （株）みずほ銀行
   （15）当事会社間の関係等	資本関係	該当事項はありません。
   	人的関係	該当事項はありません。
   	取引関係	シミックが受託している臨床試験において、医療機関における業務の一部をSSIに外注しております。
   	関連当事者への該当状況	平成19年9月30日現在、シミック代表取締役会長兼社長中村和男は、SSIの発行済株式総数の50.7%を実質的に保有しております。

   
   （16）最近3年間の業績

   （単位：百万円）

   	シミック株式会社 （連結）（完全親会社）			サイトサポート・インスティテュート 株式会社 （単体）（完全子会社）
   決算期	平成17年 9月期	平成18年 9月期	平成19年 9月期	平成17年 3月期	平成18年 3月期	平成19年 3月期
   売上高	14,028	17,556	21,616	2,237	2,379	2,601
   営業利益	1,393	1,553	2,159	326	Δ109	393
   経常利益	1,432	1,612	2,153	321	Δ109	400
   当期純利益	619	1,004	1,198	174	Δ78	213
   1株当たり当期純利益（円）	704.09	1,328.23	1,579.33	89.95	Δ22.59	61.13
   1株当たり配当金（円）	186.00	216.00	216.00	20.00	10.00	15.00
   1株当たり純資産（円）	10,902.02	12,075.24	13,417.89	1,247.27	591.04	642.17

   （注）サイトサポート・インスティテュート株式会社の株式は、平成16年5月20日付及び平成17年5月20日付でそれぞれ1株を2株に分割されております。なお、同社の平成17年3月期及び平成18年3月期の1株当たり当期純利益は、それぞれ株式分割が期首に行われたものとして計算しております。

4.株式交換後の状況

1. （1）商号	シミック株式会社
   （2）事業内容	CRO事業、CMO事業、CSO・その他事業
   （3）本店所在地	東京都品川区西五反田七丁目10番4号
   （4）代表者の役職・氏名	代表取締役会長兼社長　中村　和男
   （5）資本金（連結）	現時点では確定しておりません。
   （6）総資産（連結）	現時点では確定しておりません。
   （7）純資産（連結）	現時点では確定しておりません。
   （8）決算期	9月30日

   
   （9）会計処理の概要
   企業結合の会計上の分類では、共通支配下の取引に該当する見込みです。従ってのれんは発生しない見込みです。
   
   （10）今後の見通し
   本株式交換により、SSIは平成20年9月期よりシミックの連結対象となります。シミックの単体業績に与える影響は軽微、連結業績に与える影響は年間ベースで30億円程度の売上高の増収、5億円程度の営業利益の増益要因となるものと想定しております。また経営、事業、設備に与える影響については、事業規模が拡大するほかは大きな影響はないものと想定しております。

以上