シミックとFRONTEO、製薬企業の適応症戦略支援で協業
AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」による適応症の探索と治療メカニズムの仮説生成に、シミックの医療上の価値・市場機会・開発成立性の観点の評価を組み合わせ、製薬企業の適応症戦略に関する意思決定を支援
シミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:大石 圭子、以下「シミック」)と株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下「FRONTEO」)は、製薬企業における適応症*1戦略の意思決定支援を目的とした協業契約を締結しました。本サービスは、FRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下「DDAIF」)」*2による適応症探索・評価支援サービスの一環として提供されます。
両社の知見を組み合わせることで、製薬企業は科学的な新規性および妥当性に加え、事業性の観点も踏まえた適応症戦略を検討することが可能になり、より実現可能性の高い適応症戦略の策定を加速させることが期待されます。
本協業の背景
新規医薬品を市場に投入するためには、10〜17年の開発期間と約3,240億〜4,860億円の投資が必要とされます*3。こうした背景を受け、既存アセット*4の活用に加え、開発中パイプラインの適応拡大や新規アセットの導入評価を含む適応症戦略の検討が、コスト抑制・期間短縮の観点から製薬業界における重要なテーマとなっています。
一方で、適応症の検討は、開発中パイプラインの追加適応症の評価、ライフサイクルマネジメント*5、外部アセットの導入*6評価など創薬プロセスの多岐にわたるフェーズで行われるものの、科学的に有望な研究成果であっても事業性の観点から次の段階に進めないケースも少なくありません。また、科学的な探索結果と事業・開発観点での評価が十分に統合されていないことが、意思決定上の課題となっていました。このため、両者を有機的に組み合わせ、製薬企業の意思決定を一貫して支援する枠組みへの需要が高まっています。
本協業の概要
本協業は、シミックとFRONTEOがそれぞれの強みを持ち寄り、製薬企業の適応症戦略に関する意思決定を包括的に支援するものです。
FRONTEOは、方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」*7を核とするDDAIFを通じ、クライアントが指定するアセットに対し、既存の学術論文では報告されていない新規性の高い適応症を網羅的に探索するとともに、当該アセットがその疾患の治療において効果を発揮するメカニズムに関する仮説を提示します。
シミックのConsulting and Navigation Unitは、製薬・ヘルスケア領域で培った医療データ、市場・競争環境情報、臨床開発の実現可能性に関する知見、疾患領域の専門家の知見も活用しながら、FRONTEOが提示する適応症候補に対し、医療現場におけるアンメット・メディカル・ニーズを踏まえた治療価値の評価や市場性、開発成立性の観点から調査・情報の付与を行います。
製薬企業は、両社からの情報をもとに、適応症の比較・選択・優先順位付けを行い、適応症戦略の方針を決定します。
本協業は、開発中パイプラインの追加適応症の検討、ライフサイクルマネジメント、外部アセットの導入評価まで、幅広い場面での活用を想定しています。
シミックホールディングス株式会社 上席執行役員/CRO & Consulting事業ユニット担当 奥田 晃義コメント
「医薬品開発において、適応症戦略は研究開発の方向性や事業価値を左右する重要な意思決定の一つです。AIにより新たな科学的仮説を導き出すFRONTEOのDrug Discovery AI Factoryと、シミックグループが製薬・ヘルスケア領域で培ってきた医療現場、マーケット、臨床開発・薬事、事業化に関する知見を組み合わせることで、科学的な可能性を、より実現可能性の高い開発戦略へとつなげることができると期待しています。
本協業を通じて、製薬企業のさまざまな意思決定を支援し、アンメット・メディカル・ニーズの解決と、より多くの患者さんへの新たな治療選択肢の提供に貢献してまいります。」
株式会社FRONTEO 取締役/CSO(Chief Science Officer) 豊柴 博義コメント
「医薬品開発では、AIによる科学的な仮説づくりと、事業性の評価の、両方が必要になってきます。そうでなければ、科学的に有望な発見であっても事業性の観点から開発に至らない、あるいは事業性の高い領域に科学的な裏付けが伴わないといった、意思決定の停滞が生じてしまいます。FRONTEOのDDAIFは、『KIBIT』により、疾患と標的分子の未知の関連性を導き出すことを強みとしています。この科学的な発見と、シミックの持つ事業評価の知見を一つのプロセスに統合することで、新規性と開発の実行しやすさを兼ね備えた創薬を推進し、製薬企業の適応症戦略の成功確度を高め、アンメット・メディカル・ニーズの解消につなげていきます。」
*1 適応症:医薬品の治療対象となる疾患や症状
*2 DDAIF:AIと創薬に精通したFRONTEOの創薬エキスパートが、KIBITの自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使し、標的分子・適応症探索やその裏付けとなる仮説を提供するAI創薬支援サービス
*3 Camps I. et al., "Editorial: Opportunities and challenges in drug repurposing", Frontiers in Pharmacology, Vol.16, 2025, https://www.frontiersin.org/journals/pharmacology/articles/10.3389/fphar.2025.1709217/full(注:円換算は1米ドル=162円のレートによる/2026年7月2日時点)
*4 アセット:創薬候補化合物や開発中・上市済みの医薬品など、事業価値を持つ医薬関連資産
*5 ライフサイクルマネジメント:医薬品の開発中から承認・上市後まで、追加適応症の取得や新たな活用方法の検討などを通じて、医薬品の価値の継続的な拡大を図る取り組み
*6 導入:製薬企業において、自社内で研究開発を行う形態のほか、他社・他機関から医薬品候補化合物などの開発権や販売権を獲得するケースがあり、後者を導入(ライセンスイン)と呼ぶ
*7 方程式駆動型AI「KIBIT」:FRONTEOが独自開発した人工知能。方程式を用いることで非連続な発見、因果関係の把握、高い再現性を実現。学習プロセスの軽量化によりCPUレベルで高速・高精度の解析を可能とする
Consulting and Navigation Unitについて
シミックのConsulting and Navigation Unit(CAN Unit)は、ライフサイエンス企業の研究開発・事業化を支援する専門組織です。医療上の価値、市場機会、競争環境、開発実現性などを総合的に評価し、研究開発投資や事業判断に関する意思決定を支援しています。また、シミックグループが有する医薬品・医療機器の開発、薬事、製造、販売に関する知見や実務経験を活用し、構想段階から事業化まで伴走型で支援しています。今回の協業では、AIにより創出された適応症候補に対し、医療上の価値、市場機会、開発成立性の観点から評価を行い、適応症戦略に関する意思決定を支援します。
シミックグループについて
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器などの海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC(”Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,700人を超える従業員とグループ会社28社を擁しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。https://www.cmicgroup.com/
FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)について
【ご参考:製薬企業およびアカデミアとの取り組み】
URL:https://www.fronteo.com/news/ddaif-list
「FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」は、自然言語処理に特化した方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」(日本・欧州・米国・韓国特許取得済*)と、FRONTEOの創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したAI創薬支援サービスです。疾患関連遺伝子ネットワークの解析や、標的分子候補に関する仮説の構築を通じ、医薬品開発における研究者の意思決定を強力にサポートします。本サービスはすでに複数の大手製薬企業で導入され実績を重ねています。
*Drug Discovery AI Factoryに使われている技術は、FRONTEOが日本および欧州、米国、韓国で計21件の特許権を取得しています。
URL:https://lifescience.fronteo.com/products/drug-discovery-ai-factory/
株式会社FRONTEOについて
FRONTEOは、自社開発の方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日本・欧州・米国・韓国特許取得済)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、「KIBIT」の技術が創薬の仮説生成や標的分子探索にも活かされています。
「KIBIT」の独自技術およびアプローチを通じて、「集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(経済安全保障分野、ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野、ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野、リーガルテックAI分野)、DX(株式会社アルネッツ)の各事業で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国で事業を展開。資本金915,057千円(2026年3月31日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本および欧州、米国、韓国における商標または登録商標です。
お問い合わせ先
<報道関係者のお問い合わせ先>
株式会社FRONTEO 広報担当
Email:pr_contact@fronteo.com 電話:080-4321-6692
シミックホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部
Email: pr@cmic.co.jp
<FRONTEOライフサイエンスAI事業に関するお問い合わせ先>
株式会社FRONTEO ライフサイエンスAI事業本部
https://www.fronteo.com/ja/contact/business