夏の夜、清流沿いで美しく光るホタルを眺めたことがあるでしょうか?

ホタルを見て“ 夏の風情”を感じるのは日本人特有のもののようです。ホタルのおしり近くには発光器があり、発光物質であるルシフェリン、発光を助けるルシフェラーゼという酵素、そして呼吸によって供給される酸素によって化学反応が起きて光ります。ホタルの光の特徴の一つに熱をほとんど発しないことが挙げられます。もちろん火も出しません。それが「冷光( れいこう)」と呼ばれる由縁です。

こうした特徴を応用し、宇宙でも安全に使える照明器具として開発されたのがケミカルライトです。身近なところでは、縁日や音楽イベントなどでカラフルな蛍光色の棒状ライトを目にしたことがあるのではないでしょうか?ケミカルライトの内部には仕切りで分けられた状態で2種類の液体が入っています。ライトを折ると仕切りだけが割れ、液体が混じり合うことによって発光するという仕組みです。

ホタルの光と同様に発熱することがなく電源も不要で、さらに水にも強いため、アウトドアや非常用としても活用されています。縁日ではしゃぐ子どもたちの手元で光るケミカルライト。ホタルの光にはかなわないかもしれませんが、夏の風情を感じさせるものとして浸透しつつあるようです。

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