今回のテーマは、「女性管理職登用」です。女性が働きやすい環境づくりを企業に求める法律「女性活躍推進法」がスタートして5 年近くが経過し、多くの企業がさまざまな施策を推進してきました。次のステップとしては、ポストコロナの時代に男女ともに働きやすい社会実現に向けて進化していく必要があるのではないでしょうか。そこで女性管理職のロールモデルとなる方々に管理職登用前後のエピソードについてお話しいただきました。


女性管理職になり、新たなやりがいを発見


大石管理職に就くまでの経緯を教えてください。身近にロールモデルとなる方はいましたか?

吉益私は当時、子どもたちも小さく、職場にはタフに働く男性管理職がほとんどで自分が管理職として働くことが全くイメージできなかったので、一度はお断りしたんです。しかし当時の上司から、あなたには資質がある、女性ならではの視点でマネジメントをすればよいと励まされ、チャレンジすることにしました。

川邊私の職場では、リーダー職の延長線上に管理職があり、身近にロールモデルとなる女性管理職の方が2人いました。日頃から仕事に関する考え方や姿勢を少しずつ教わっていたので、自然な流れで管理職になりました。

木曽私の部署は7~8割が女性で上司もほとんどが女性でしたので、お話をいただいたときも自然に受け止めることができました。

大石現在の立場で、どのようなことに仕事のやりがいを感じますか?

吉益それまでは自分自身がプロジェクトをリードしていましたが、管理職になってからは、誰をアサインすればうまくいくのかを考える立場になりました。結果が出て顧客から感謝いただくと、自分がプレーヤーとして直接関わっていたときよりも達成感ややりがいを感じます。

木曽自分のマネジメントが結果に直結するので、部署全体への責任をより強く感じるようになりました。同時に利益が出ると手ごたえを感じられるので、やりがいも大きいですね。これは管理職になるまでわからなかったことです。

川邊私も数字的な責任や会社の看板を背負っていることを意識するようになりました。単に目の前のプロジェクトを成功させるだけでなく、その先にある会社のビジョンにマッチした仕事を自分の強みを生かしつつ、持たせていただいた裁量で実現していかなければと考えるようになりました。

管理職は気持ちの切り替えと客観的な視点が大切

大石管理職になったことで働き方や生活の変化はありましたか?

吉益就任当初は、帰宅後もふとした瞬間に仕事のことを考えてしまうことがあったので、生活に影響が出ないよう、できるだけ気持ちを切り替えるよう意識していました。自分の立場を受け入れるに伴って、2 年目位から問題点の整理と対処が自分の中でできるようになりました。

川邊オンオフを意識的に切り替えるようにしています。週末も気になってパソコンを開いたりしていては心身にも良くないと思い、あえて土日に予定を入れる、体を動かすなどしています。

大石管理職の男女の違いについては、どのように感じていますか?

吉益課題に対して、女性は解決への初動が早く、男性は一呼吸置くのがうまいというか、少し動向を見てから動くという印象がありますね。どちらもプラスの面ではあると思います。

木曽私もそれは感じていて、拙速な判断をしないように日頃から意識して対応をワンテンポ待つようにしています。また、女性はリスクマネジメントが上手な反面、保守的になりがちな面もあると感じています。一方、新たな市場の獲得・展開など攻めていく場面では大胆さも大切です。守りに入らぬように気を付けながら結果を出していきたいと考えています。

新しい働き方と女性管理職

大石新型コロナウイルス感染症流行後、働き方は変わりましたか?

吉益オンライン会議システムを活用する場面が増えました。テレワーク制が浸透し、以前よりも働き方の選択肢は増えていると思います。

木曽例えば、これまでは出張を要した研究会にもWEBで参加できるようになるなど、子育てなどで時間的制約があり担当が難しかった方も時間の調整がしやすくなり、できることが増えるのではないかと感じています。ただ、オンライン会議では雑談が減る印象があります。雑談から相手の気になる面が見えることもありますので、直接会って思いを伝えることも大切だと感じています。

川邊雑談のふとした会話からヒントを得ることもありますし、自分では思いつかないような新たな発想をもたらしてくれるきっかけにもなりますので雑談の重要性をあらためて感じています。

大石これから管理職を目指す社員へのアドバイスをお願いします。

吉益若い方たちにキャリア像を描く大切さをもっと伝えたいですね。年数を重ねるにつれて、公私ともに自分のために使える時間は減ってきます。目の前の仕事も大切ですが、自分のために貪欲にスキルを高めていただきたいです。周囲の管理職の方は、「サポートするよ」と声をかけてほしいですね。

川邊女性管理職が半数を占めるまで増えてほしいと思っています。今は変化がとても早い時代です。環境が変化してもそれに対応して、自分の強みを発揮できるように、常に柔軟性を持って取り組んでいきたいですね。

木曽最初から完璧な管理職はいません。私は管理職になってからも上司にサポートしてもらいました。管理職は孤独な面もありますが、必ず周囲のサポートは受けられます。まずは「やってみよう」という気持ちが大切です。

大石周りには一緒に汗をかいてくれる仲間やサポートしてくれる人が必ずいるから、安心してということですね。自分に務まるだろうか?家庭との両立はできるだろうか?と不安がらずに管理職を目指す機会があれば、まずは挑戦してみてほしいと思います。











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