シミックグループは、日本だけでなく世界中から様々な新規製剤技術を見出し、その技術を応用した新規製剤の開発・実用化に取り組んでいます。
アキュブレイク錠
シミックCMOは、Accu-Break Pharmaceuticals, Inc. (本社:米国フロリダ州、以下「ABP」)が持つ特殊分割錠技術(以下「アキュブレイク錠」)について、日本国内における独占的な代理店として業務提携契約を締結し、本技術を用いた製剤処方設計と治験薬製造受託、商用製剤製造受託業務を開始しました。
アキュブレイク錠は、薬物層のみに割線を付与する独自技術で、錠剤を正確かつ容易に分割できます。個々の患者さんで投与量が異なる医薬品や、厳密な用量調節が必要な小児・高齢者用製剤に適した技術です。また、本技術を応用することで、従来の技術では難しかった複数の割線を付与した錠剤や配合剤の設計・製造も可能となります。
シミックCMOは、アキュブレイク錠の製造に対応した設備を保有し、日本国内の製薬企業に対する独占的な展開をおこなっています。今後も、本技術を利用した処方開発や治験薬製造、商用製剤の製造受託サービスを積極的に提供します。
3Dプリンター製剤技術 (ZipDose FDM型3Dプリンター製剤)
シミックCMOは、3Dプリンター技術による医薬品の世界展開を目指すAprecia Pharmaceuticals (本社:米国オハイオ、以下「アプリシア」)が保有する3Dプリンターを用いた医薬品製造技術「ZipDose®」について、日本国内展開に関する業務提携契約を締結しました。
アプリシア独自の3Dプリンター技術、ZipDose®を利用することで、圧縮成形することなく、非常に優れた崩壊性を保ちながら、高用量の薬物を配合した口腔内崩壊錠の製造が可能となります(1錠あたり最大1,000mg)。
ZipDose技術をさらに進めたFDM型の3Dプリンター技術を用いることによって、個々の患者さんに合わせた薬物の選択・組み合わせ、薬物の量、薬物の放出特性、製剤の形状を設計、製造できる技術開発にも取り組んでいます。この技術は将来の個別化医療の実現に非常に有用です。
シミックCMOは、ZipDose®について、日本国内の製薬企業に対するライセンス契約や製剤処方開発など、総合的なコンサルティングを行います。またアプリシアと共同で日本市場のニーズや品質レベルに適した3Dプリンター医薬品開発の提案や啓発活動を行います。
その他の新規製剤技術
経皮製剤は経口剤、注射剤に比べていくつかのメリットがあります。例えば外部から投与の確認が可能であると同時に緊急的な投与の中断も容易です。しかしながら経皮製剤に適用できる薬物には制限がありますが、その制限をなくし幅広く経皮製剤にできる技術としてマイクロニードルが挙げられます。この技術は通常の経皮製剤に多数のニードルが配置されることにより皮膚からの薬物の吸収を容易にしたもので、微小な針のために痛みを感じることはありません。
シミックCMOは目的に合わせた様々な医療用マイクロニードルを提供するために、いくつかの会社と業務提携し、医療用マイクロニードルの製造委託体制を構築しています。そのひとつとして、シンクランド社のホロー型マイクロニードルがあります。本技術はレーザー加工によって従来のマイクロニードルを中空状態にしたもので、低分子薬物から高分子薬物まで投与量や注入速度等を自由に設計できる応用範囲の広い技術です。
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